空を見上げると、ぽつん。
青い風船が空を彷徨っていた。
淡い水色の空には、その濃い青は随分と似合う。
――ああそういえば、今日は近くにスーパーができる日だったアルな。ガキんちょに風
船あげてるアルか、
そう思ってただ空中に漂う青を見つめていると、青に連想されて一人の男の顔が浮かん
だ。
別に、なんとなく。あのサドのイメージはなんだか青っぽい。『あの人には青い血が流
れている』と噂されるくらいなのだから当たり前なのだろう、が、癪に障る。
ただ青を見ただけで。
私はどれだけあいつを考えているのか。

青なんて嫌いだ。嫌いだ。大嫌いだ。
どんなに青を否定しても、あいつを否定することができないということがまた。

そんな自分を否定しながら。青から逃げるようにスーパーへ走った。



080212?