「神楽」

銀ちゃんの声が聞こえた気がして振り向いた。けど、銀ちゃんはいなかった。当たり前だ、銀ちゃ
んはもういない。手が届かないところにいってしまった。

どんなに好きでも大好きでも
見えた影もつかめなくて
聞こえた声にも答えられなくて

ほんとうは
声がほんもので
ちゃんと影があって
あたたかい腕をつかめて

なのになのに

今 私は何も出来なくて
「銀ちゃん」
って言えなくて
もうさわれなくて


解っていながら
いつも後ろをついてきてくれる
在るはずの銀ちゃんの影をそっと踏ん だ




080224
現文のノートに書いてあった