その日はいつもと同じ。
天然白髪とチャイナ娘はテレビに夢中、地味眼鏡は掃除という日常。

そんないかにも平和な中、チャイナ娘の口から非日常が飛び出した。

「サドの名前は何ていうアルか」

地味眼鏡――新八はいきなりの質問に頭にクエスチョンマークを浮かべ、
天然白髪――銀時はいきなりの質問に……固まる。


少しの沈黙。


「沖田さんだよ。神楽ちゃん知らなかったっけ?」

沈黙を破り、丁寧に質問に答えたのは新八だった。神楽と呼ばれたチャイナ娘はそれに
答える。

「……そうじゃなくて、下の名前の方アル。教えるヨロシ」

…!!
さっきから黙ったままの銀時は更に固まってしまう。
少し遅れて、質問の意味が解った新八はくすりとわらって、

「あぁ、ええとね、そう―…」
「おとーさんは断じて許しませんんんんんんん!!!あんなサドヤローの名前を知った
らおとーさんは神楽ちゃんのこと嫌いになっちゃうからアアアアアア!!!相手が不純
すぎるからあああああ!!まだ汚れを知らないで欲しいからアアアアアアア!!!」
「ウザッ!なにアンタいきなり父親面してんだ!!てゆーか別にいいだろ!!名前知る
だけでアウトとか敏感すぎるんですけど!!!」

固まっていたはずの銀時が叫び、これまた丁寧に新八が突っ込みを入れる。

「チッ、おめーなんかパピーじゃねぇよ。ただの甘党白髪ダロ。サドに直接聞いたほう
が早いネ」

そう銀時に毒づいて万事屋を出る神楽。
銀時はといえば、さっきの勢いとは裏腹にひどく静かにおとーさんはゆるしませんーだ
とか、おとーさんはあんな娘に育てた覚えはありませんーとか呟いていて。

それを横目に新八は掃除を再開。

どうやら、一名を除いて早くも日常に戻ったようだ。